赤ちゃんがいる生活は、これまでの生活とは180度違います。自由な時間はなくなり、これまで普通にできていたこともできなくなることばかり。また、出産にあたってしなくてはならない準備や手続きもたくさんあります。そこでこの記事では、先輩ママたちが、「出産前にやっておけばよかった」と思ったことをたっぷりご紹介します。
出産前にやっておいた方がよいことは?
出産前には、産後はできなくなることや、産後に必要になることの準備をしておきましょう。自分の好きなことをしたり、出産や子育てについて学ぶセミナーに参加したりするのがおすすめ。詳しくは以下の通りです。
自分の好きなことをする
産後は自分の時間は一切ないと思った方がよいでしょう。24時間体制で育児をする必要があり、赤ちゃんが寝ている時間は自分の睡眠や家事などの時間に当てなければなりません。夜間授乳がなくなってきても、母乳育児であれば赤ちゃんと離れることができませんし、赤ちゃんを連れて外出できる状況であっても、行ける場所や時間は限られています。
そのため、出産前は自分が好きなことができる最後の時間だと思って、やりたいことをやっておきましょう。
時間を気にせずにお友達とおしゃべりする、映画館や美術館、買い物、高級レストランに行くなど、子供連れでは特に難しそうなことを優先的にやっておくのがおすすめです。
また、運動や仕事、勉強がとにかく好きという方もいるでしょう。絶対安静などの特別な事情がなければ、妊娠中でも健康のために適度な運動は大切です。出産前に運動習慣をつけておくことで、産後のための体力づくりになり、産後の体型の変化にもすばやく対応できるようになる可能性があります。
女性は妊娠・出産によって必ず仕事を離れなければならないので、仕事復帰後の活躍や再就職のためにも出産前の時間のあるうちに資格取得やリスキリングなどをしておくのもおすすめです。
セミナーに参加
マタニティーセミナーに参加しておけばよかったと思っている先輩ママは多いようです。さまざまなセミナーがあり、たとえば出産までの心構えや、呼吸法などの出産のコツ、基本的な育児のやり方(沐浴、おむつ替え、授乳など)などを学ぶことができます。出産や産後の様子を具体的にイメージしたり、どんな育児グッズを選べばよいか相談できたりすることもあるため、これからの出産・育児において大いに役立つことばかりです。
特に、これまで赤ちゃんのお世話をしたことがない方は、産後の育児への戸惑いが少しでも減るように参加を検討してみましょう。
宅配サービスの登録
産後に里帰り出産をしない予定の方や、旦那さんの帰りが遅くなりそうな方は、産後に買い物ができません。そんなときに便利なのが、宅配サービスの利用です。
妊娠中から早めに登録しておくことで、つわりで買い物に行けないときにも重宝した、という先輩ママも多いようです。
夫婦での話し合い
妊娠、出産を身をもって体験し、産後は基本的にメインで育児を担うお母さんと、そうではないお父さんでは、さまざまなズレが生じます。そのため、出産・育児にあたって事前に夫婦で話し合っておくことはとても大事。以下のようなことを早めに話し合っておくことをおすすめします。
- 里帰り出産をするかしないか
- どこの病院で出産するか
- 産後の育児をどのように分担するか
- 誰がいつまで育休を取得するのか
- 保育園に入れる場合はいつからどこに入れるのか
産後の育児分担は、お母さんの体調や赤ちゃんの状況によって大きく変化するため、不透明な部分も多いです。たとえば夜間授乳においては、赤ちゃんがよく寝るのか、全く寝ないのか、直接母乳では飲みにくいのか、哺乳瓶やミルクを嫌うのか、お母さんの母乳が出るのか出ないのかなどによって対応の仕方が全く違ってきます。
また、出産予定日が年度の切り替わり付近の場合は、3月生まれになるか4月生まれになるかで保育園入園の時期が1年ズレてしまうこともあります。
このように、実際に出産してみなければわからないことも多いものではありますが、話し合いをすることで、出産や育児に対する理解が深まったり、何を理解できていないのか、何が不透明なのかを明らかにしたりすることにも役立つでしょう。
さらに、上記のような実務的なことだけでなく、どんな家庭にしたいのか、どんな子育てをしていきたいのかといった考え方の共有もしておくのがおすすめです。
産後ケア施設を見学する
自治体あるいは民間の産後ケアホテルも充実してきました。夫婦で乗り切るのか、里帰りをするのか、産後のサポートも含めて色々な施設を見学する事で、自分の産後の過ごし方のプランが見えてくるでしょう。年々出産年齢も高齢化してきていますので、産後は養生したほうがよいという認識を持つことも重要です。
出産前に必要な準備は?
他にも、さまざまな手続きやベビー用品の準備、入退院時のタクシーの手配など、現実的に必要な準備はたくさんあります。詳しくは以下の通りです。
出産前の手続き
妊娠発覚から出産までにしておくべき手続きにはさまざまなものがあります。代表的なものは以下の通りです。
内容 | 時期 | 手続き方法 |
母子手帳と妊婦健康診査受診票の受け取り | 妊娠6~10週頃(主治医から指示があるケースが多い) | お住まいの市区町村役場、または保健センターでもらう |
産休・育休取得の相談 | ・職場の状況に応じて、早めに相談する ・予定日の6週間前(多胎は14週間前)から産休が取得できる | まずは上司などに相談する |
出産育児一時金 | ・直接支払制度:入院後に申請(病院による) ・受取代理制度:予定日の2ヶ月前から申請可能 ・直接申請:出産翌日から2年間申請可能 | ・直接支払制度:保険証や必要書類を病院に提出 ・受取代理制度:対応可能か病院に確認してから、健康保険組合に申請 ・直接申請:病院に合意書を提出し、必要書類をを健康保険組合に提出 |
出産手当金(加入している保険組合などから、産休中の給与の一部を受け取れるもの) | 期限はおおむね産休開始の翌日から2年(2年以上経過した日数分は受け取れなくなる) | 自分で保険組合などに直接申請するか、会社経由で申請する |
育児休業給付金の申請(雇用保険から、育休中の給与の一部を受け取れるもの) | 産休・育休取得の相談と連動 | 原則会社が申請するため、会社の指示に従う |
このほかにも、状況に応じてさまざまな補助を受けられることがあるため、病院、自治体、職場などで案内や指示があれば対応しましょう。
ベビー用品
出産後、お母さんは買い物に行くタイミングがほぼありません。入院中に必要なおむつ、哺乳瓶などの基本的なベビー用品は病院で用意されていることもありますが、大きなベビー用品や産後に必要なベビー用品は早めに用意しておきましょう。
たとえば以下のようなものがあります。
- おむつ
- おしりふき
- 哺乳瓶、消毒グッズ
- ミルク
- 肌着、洋服
- ガーゼ
- ベビーバス
- だっこひも
- ベビーカー
- チャイルドシート
- ベビーベッド
- 布団
など
なお、おむつやミルクを大量買いしてしまう方も多いですが、おむつはすぐにサイズアウトしてしまったり、ミルクを飲まなかったりするケースもあります。そのため、退院からしばらくの間に必要な最低限のものを最低限の量だけ購入しておき、様子を見ながら購入するのも一つの方法です。
入院中の様子を見ながらご家族に追加購入してもらってもよいでしょう。出産前に、赤ちゃん用品が豊富な通販サイトなどをチェックしておくと、必要な時にすぐ購入できて便利ですよ。
また、ベビー用品以外にも、産褥ショーツやパッド、授乳ブラ、母乳パッドなど、出産時や入院中にお母さんが必要なものもたくさんあります。産前に病院から案内された場合は、指示に従って必要なものをそろえましょう。
タクシーの手配
いつでもすぐに頼れる家族などがそばにいない場合は、陣痛タクシーなどの予約をしておきましょう。突然の破水や陣痛で、自分の運転や公共交通機関で病院に向かうことができないときにタクシーはよい選択肢となりますが、一般的なタクシーでは乗車拒否されてしまうケースもあります。
陣痛タクシーであれば、妊婦さんの対応のためにさまざまな配慮がされているため、事前に予約しておくと安心です。
また、退院時の交通手段の確認も必須。誰がお迎えに来るのか、どのような手段で帰るのかを確認しておきましょう。車で帰る場合は、必ずチャイルドシートを購入しておきましょう。
出産前が自分の時間をゆっくりとれる最後の時間!しっかりと準備を
出産前の時間は、自分の時間をゆっくりとれる最後の時間です。赤ちゃんのうちはもちろん、幼稚園、小学校に上がったとしても、これからは子どもと過ごす生活になります。第2子、第3子を希望している場合は、10年以上にわたって自分の時間がとれなくなることもあります。
そのため、出産前の貴重な時間を大切に使いましょう。自分のために好きなことをするのはもちろん、出産や育児の準備をするためにも重要な時間です。