9ヶ月というと、離乳食にも慣れ、夜はまとめて寝てくれる赤ちゃんも増えてくるため、生まれたばかりの頃に比べると少し落ち着いたと感じる方もいるでしょう。しかし、実はこの時期は産後うつになりやすい時期でもあります。
この記事では、産後うつの原因や、予防法・対処法などについて詳しく解説します。
産後9ヶ月頃は産後うつになりやすい!その理由は?
産後うつは、産後3ヶ月頃までに発症することが多いと言われています。しかし、産後9ヶ月頃にも産後うつが増えるという指摘があります。まずはその理由を見ていきましょう。
身体的な変化によるストレス
産後9ヶ月経っても体型が元に戻らない、生理が再開して生理の苦痛を抱えながらの育児が始まったなど、この時期は体の変化に対するストレスがたまりやすい時期です。生理の再開でPMS(月経前症候群)が生じ、精神的に不安定になることもあります。
産後すぐは、産後のダメージも残る中で待ったなしの育児が始まり、自分のことを気にする余裕がない方がほとんどでしょう。しかし、9ヶ月頃になるとその頃よりは余裕が出てきて、余計に気になってしまうということもありがちです。
なお、産後は妊娠前に比べてPMSにおける精神的な症状が重くなることが多いとされています。
子どもの成長による悩み
9ヶ月頃の赤ちゃんははいはいやつかまり立ちをしたり、後追いをしたり、離乳食が3回食になったりと、発達や生活の面で大きな変化が起こる時期でもあります。よく動くようになって目が離せなかったり、後追いによってお母さんはトイレなどの日常生活ですらままならなくなったりと、これまでとは違った負担が増えがちです。
さらに、発育発達の面では個人差が大きくなり、周りの子供と比べて悩むことも多いでしょう。
このように産後9ヶ月頃のお母さんはこれまでとは違った肉体的、精神的な負担が増えるため、ナーバスになり産後うつにつながることがあります。
自分の周りの環境の変化
産後9ヶ月となるとお母さんの生活にも変化が出てくる時期。育休中のお母さんは、職場復帰や、それに伴う保育園準備などで考えることややらなければいけないことが増えます。
このようなストレスが産後うつの原因となることがあります。
産後うつの予防と対処法
では、産後うつを予防するにはどんなことを心がければよいのでしょうか。また、もし産後うつになってしまったらどうしたらいいのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
睡眠時間の確保
睡眠時間が不足すると、産後うつのリスクが高まると言われています。産後はまとまった睡眠がとれないことが普通ですが、家族などと協力して育児を行い、可能な限り睡眠時間を確保することが大事です。できれば夜間の授乳は家族と分担できるとよいでしょう。また、赤ちゃんが寝ているときは、日中でも一緒に眠るようにしてください。
専門家への相談
産後うつかもしれないと思ったら、早めにかかりつけ医に相談したり、精神科や心療内科を受診したりしてください。自治体の相談窓口があることも多いので、そのような場所に相談してもよいでしょう。
産後うつの症状は、気分が激しく浮き沈みする、怒りっぽくなる、ふいに涙が出てくる、強い悲しみを感じる、極度に疲れるといったものが挙げられます。眠れない、逆に眠りすぎてしまう、食べられない、逆に食べすぎてしまう、自殺願望がわくといったこともあるため、心当たりがある場合は受診を検討しましょう。
また、産後うつになっていても自分では気が付けないこともあります。周囲の人がおかしいなと感じることがあれば受診を勧めることも考えましょう。
家族とのコミュニケーション
もし産後うつになってしまったら、病院でカウンセリングや薬を使った治療が行われます。
ただ、それだけではなく、家族のサポートや、家族とのコミュニケーションがとても大切になってきます。お母さんだけに育児の負担が集中することがないよう、旦那さんや家族が協力して育児に参加することが大事です。これにより、お母さんの負担軽減や、休息をとることができるようになります。
また、周囲の精神的なサポートも重要。ちょっとしたことでも旦那さんに話をする、旦那さんは話を聞く、といったコミュニケーションをしっかりとっていきましょう。
産後9ヶ月の過ごし方
赤ちゃんの状態も自分の状況も変化してくる時期である産後9ヶ月頃。産後うつを予防し、健康的におだやかに過ごせるように、以下のような点に注意してみてください。
自分の時間をつくる
産後うつを予防するためにも自分の時間をしっかりつくりましょう。たまには育児を家族に頼んだり、行政サービスに頼ったりして外出したり、好きなことをしたりしてリフレッシュしてください。
また、孤独が産後うつにとってよくない場合があるため、友達に会うなど人とかかわりを持つのもおすすめです。
健康管理と美容ケア
育児にも慣れてくる方が多い時期でもあるので、健康的な日常生活を送ることを心がけましょう。食事や入浴がおろそかになっていた方も多いと思いますが、規則正しい生活をし、自分の健康管理にも気持ちを向けてみましょう。赤ちゃんとの散歩を習慣にするなど、軽い運動に取り組むのもおすすめです。
また、体型が戻らないといった理由で気持ちが沈んでしまう方もいるでしょう。妊娠~出産で食事量が増えていたという方は、授乳量が減ってきたのに同じ量の食事を続けていれば体型が元に戻りづらいのは当然。徐々に食事の量を戻していきましょう。栄養バランスにも注意してください。
また、骨盤ケアなどのためにはスクワットなどがおすすめ。適度な運動で少しずつ体型をもどしていきましょう。
産後9ヶ月は悩みが多い
産後9ヶ月は赤ちゃんもお母さんも変化が多い時期であり、悩みを抱えやすい時期です。中には産後うつを発症してしまうお母さんもいるため注意が必要です。
産後うつを予防するためには睡眠時間を確保することが大事。また、自分の時間をつくって息抜きしたり、健康管理や美容ケアにも目を向け、自分らしさを取り戻していきましょう。
産後うつかも、と思ったら早めに専門家に相談してください。