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産後の肌がかゆい!かゆみの原因と対処法を解説!

産後、女性の体は大きく変化します。さまざまな症状が表れますが、特に多いのが肌トラブルです。肌が荒れやすくなるだけでなく、かゆみに悩まされる人も少なくありません。そこでこの記事では、産後の肌がかゆくなる原因と対策について解説します。

産後に肌がかゆくなる原因は?

肌のかゆみは妊娠中によく見られる症状です。出産すれば治ると思うかもしれませんが、実は産後も肌がかゆいという人は少なくありません。まずは、なぜ産後に肌がかゆくなるのか、考えられる原因を見ていきましょう。

ホルモンバランスの乱れ

産後の肌がかゆい原因として、ホルモンバランスの乱れが挙げられます。

産後はホルモンバランスが急激に変化します。たとえば女性ホルモンの一種であるエストロゲンには子宮への血流を増加させ、妊娠を維持する働きがあります。肌の水分を保持したり、髪や爪を美しくしたりするのもエストロゲンの役目です。

しかし、妊娠中に増加していたエストロゲンは出産すると分泌がほぼゼロになります。エストロゲンが減少することで肌が乾燥しやすくなるため、かゆみを感じやすくなるのです。

育児の疲れやストレス

産後の女性はホルモンバランスの乱れに加え、体が完全に回復していない状態で育児をしなくてはなりません。赤ちゃんの世話は「待った」がきかないからです。生活サイクルも大きく変わってくるでしょう。自分のことが二の次になってしまい、疲労やストレスにつながります。

ストレスは体だけでなく肌にとっても大敵です。肌の表面には、適度な皮脂と水分からできた皮脂膜があり、外的刺激や異物の侵入をガードしています。しかし、疲労やストレスによって皮脂分泌や水分保持機能が乱れると肌のバリア機能も低下します。その結果、かゆみや肌荒れといったトラブルが起こりやすくなるのです。

アレルギーによるもの

いくつかの原因が重なって、肌がかゆくなることがあります。例えば、ホルモンバランスが乱れると、皮脂分泌や肌の水分保持にも影響が表れます。皮脂や水分の不足によって肌バリア機能が低下することはすでに紹介したとおりです。

そして、肌のバリア機能低下はアレルギーにもつながります外的刺激に対して敏感になるため、妊娠前は何ともなかった人でも、アレルギーが起こりやすくなるのです。化粧品が合わなくなった、衣服や肌着が擦れてかゆいといった症状が表れることもあります。特に、もともとアトピー性皮膚炎のある方は、悪化する傾向があるため注意が必要です。

産後の肌かゆみの対処法

産後の肌がかゆい時はどうすればよいのでしょうか?「塗り薬は赤ちゃんに付いてしまうかも、飲み薬は母乳に影響があるかも」と市販の薬を使うのをためらってしまう人も多いでしょう。まずは薬を使わずできる対処法をチェックしてみましょう。

安静にする

まずは安静にしましょう。疲れやストレスがかゆみの原因となることもあるため、できるだけ休息をとってください

そして、かゆいからといってかきむしると、肌の表面(角質層)が傷付くため、かゆみを感じた時はなるべくかかないようにするのが基本です。バリア機能が損なわれてさらに乾燥が進むだけでなく、肌の黒ずみにもつながります。

また、かくことが刺激になってヒスタミンが多量に放出されます。ヒスタミンはかゆみを感じる知覚神経に作用する物質です。かいて一時的にかゆみをしのげても、その後でかえってかゆみがひどくなりかねません。

かゆみを抑えようと、入浴時に強く擦ったり熱い湯につかりすぎたりするのも避けましょう。

冷たいタオルなどで冷やす

風呂上がりや汗をかいた時などに肌がかゆくなるのは、体温の上昇によって神経が活性化されるためです。

かゆみを感じたらまず冷たい濡れタオルで肌を冷やしましょう。神経が鎮静化され、かゆみを抑えられます保冷剤や氷を直接あてると冷えすぎの恐れがあるので、タオルで巻いて使うとよいでしょう。

また、かゆみがひどい時は、シャワーや浴槽の湯温もぬるめにします。熱すぎると体温が上がるだけでなく、肌に必要な皮脂まで取れてしまうので、乾燥によるかゆみも強くなることがあります。

スキンケアを見直す

産後はなかなかスキンケアの時間が確保できないかもしれません。しかし、保湿は必須です。赤ちゃんが寝ている時や、パパに見てもらっている間にスキンケアをしておきましょう。一つで化粧水や乳液、美容液などを兼ねるオールインワンタイプなら時短になって便利です。

ただし、産後はホルモンバランスの影響で肌質が変わりやすくなります。今まで使っていた化粧品が急に合わなくなることも珍しくありません。刺激を感じたらすぐに使用を中止しましょう。パラベンやアルコールなどが含まれていない、低刺激のものに変えてみるのも一つの方法です。

なかなか治らない場合は皮膚科に行くことも検討

かゆみがなかなか治まらなかったり、何度もぶり返したりする時は皮膚科を受診しましょう。産後や授乳中などの体の状態も考慮して薬を処方してもらうために、産後であることは必ず伝えてください

皮膚科によっては乾燥肌や敏感肌といったデリケートな肌にも使える基礎化粧品を取り扱っています。化粧品が合わなくなった人も相談してみるとよいでしょう

また、原因がわからない、かゆみの範囲が広い、発熱や倦怠感を伴う時も皮膚科を受診するのがおすすめです。ホルモンバランスの乱れやストレスだけでなく、病気がかゆみを引き起こしている可能性もあるためです。

かゆみがひどくなる前に早めの行動を心掛けよう!

産後はホルモンバランスの変化に加え、出産によって体にダメージも受けています。しかし、完全に回復していない状態でも育児はしなくてはなりません。疲労やストレスの蓄積から、体調を崩したりさまざまなトラブルに見舞われる人も少なくないでしょう。肌のかゆみもその一つです。自分のことは後回しになりがちな時期ですが、かゆみがひどくなるまえに適切な対処を心がけましょう。

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この記事の監修者

浅井 貴子

・助産師

・新生児訪問指導歴は25年以上

・各情報サイトやランキングサイトなどでも執筆多数