出産後の過ごし方は、産後のお母さんの回復に深く関わります。
この記事では、経験豊かな助産師である浅井貴子さんに、産後の過ごし方について編集部
がインタビューしました。
浅井さんが特に大切だと強調するポイントは、
1) 睡眠
2) 栄養
3) 体を温める
の3つとのこと。それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
今回お話を伺ったのは…
助産師 浅井貴子さん
監修者
助産師。新生児訪問指導歴は25年以上という豊富なキャリアを誇る。
大学病院・未熟児センターで勤務したあと、フリーランスに。
各情報サイトやランキングサイトなどでも執筆多数。母と子のナチ
ュラルケアブランド、AMOMAの商品開発・自治体における赤ちゃん
訪問・産後ケアホテル「マームガーデン葉山」の監修を行い、乳児
期の赤ちゃんの子育て指南を数多く行う。
産後のトラブルには、「心」と「体」の両方があります。
体だと、むくみや腰痛、乳腺炎など様々な悩みがありますが、「睡眠不足」はほぼすべて
のお母さんが共通で通る悩みです。
人は眠るとプロラクチンというホルモンが出ます。これは母乳の分泌にも関わっているホ
ルモンなので、睡眠不足だと母乳が出づらくなります。
そうなると心配事が増えてメンタルの低下にも繋がりがちです。体の回復のためにも、正
常な思考回路を保つためにも睡眠はとても大切です。
デジタルデトックスをする時間をつくる
産後ケア施設でお母さんを見ていると、赤ちゃんが寝たとたんにスマホをいじりだす方が
多いです。
赤ちゃんと向き合う中で、色々と不安なことがあって、調べ物をしたいお母さんもいらっ
しゃるとは思います。ですが、休める時に休んでおかないと、睡眠不足は体にも心にも色
々な弊害を引き起こします。
赤ちゃんが寝ているときには、まずはひとまずスマホは横に置いて、「目を閉じる」だけ
でも違います。
昼寝する時間を決める
また、時間を決めて横になる習慣をつくるのもとてもいいです。
「どうしても赤ちゃんが起きていると寝られない」という方もいらっしゃるので、周りに
頼ることも大切です。横になると決めている時間には、ご家族や周りの方に赤ちゃんを見
てもらうなど協力を仰ぎましょう。
赤ちゃん入眠グッズの活用
周りには頼める人がいないなど、マンパワーが足りないときには、電動のゆりかごもあり
ます。コンビの「ネムリラ」は、1歳くらいまで体重に合わせて眠りやすいスイングを自
動調整してくれるので、赤ちゃんが眠りにつきやすいです。産後ケア施設でも導入されて
います。
また、赤ちゃんが入眠しやすくなるアロマもあります。そういった赤ちゃんの入眠を促し
てくれるグッズを活用するのも一つの方法です。
産後は、出血により鉄分やタンパク質も流れていってしまいます。また、母乳でも栄養が
出ていってしまいます。
回復のためにも、母乳のためにも栄養をしっかり摂ることはとても大切です。
特に今は出産の高年齢化が進んでいて、やはり20代と40代の出産では、回復にかかる時間
は大きく異なります。
日本よりも産後ケアが進んでいる韓国では、鶏ガラのわかめスープが産後の食べ物として
一般的です。
中国では参鶏湯(サムゲタン)で、その中にクコの実やツバメの巣が入っています。
中華圏ではツバメの巣を産後に食べることが当たり前で、日本の産後ケア施設にいると
「え?ここではツバメの巣は出ないんですか?」と言われることもあります。
治癒促進の効果があるツバメの巣を摂る
ツバメの巣は創傷の治癒を促進してくれる効果があるので、自然分娩の方であれば産道裂
傷や会陰裂傷の回復に、帝王切開の方であれば術跡の回復に繋がります。
今は、ツバメの巣を簡単に摂れるような日本製の製品もあります。
中でもBI-SU(ビース)は天然ものなので、授乳期も安心して食べられます。
毎日摂るなら「ゼリースティック」、特に体力の低下を感じるときには「ドリンク」がい
いでしょう。
体が冷えていると巡りが悪くなるので、せっかく摂った栄養も体に行き届きにくくなってしまいます。
また、血流やリンパの流れが悪いと母乳の出もよくないです。
お風呂に入る
1カ月検診が終わると、お母さんはお風呂に入れるようになりますので、なるべくお風呂
に浸かって体を温めましょう。
また、産後は背中とお尻が特に冷えがちです。
特に背中は、ずっと抱っこの姿勢をしていることで肩甲骨がガチガチになることで冷えます。
ホッカイロや電気毛布を活用
肩甲骨と肩甲骨の間にホッカイロを貼ったり、電気毛布を敷いて寝るのも効果的です。
温かい汁物・飲み物
食べ物も、温かい汁物を摂るようにすると良いですね。鶏の手羽先スープはアミノ酸やコ
ラーゲンも一緒に摂れます。生姜やネギを入れるとより体が温まりやすくなりますよ。
飲み物は、温かいハーブティーや甘酒がオススメです。また、冷たい飲み物よりも常温の
物を飲むようにしましょう。
以上、助産師浅井さんからの「産後の過ごし方のポイント」でした。
浅井さんからのアドバイスを参考にして、自身の体調と育児のスタイルに合わせて取り入
れてみてください。